暮らしと経済
移民・外国人労働者政策とは? 受け入れと、ともに暮らす仕組み
日本で働く外国人は257万人を超え、多くの職場で欠かせない働き手になっています。一方で、日本語の学習、働く人の権利、子どもの教育、地域での暮らしを支える仕組みづくりが追いついていないという指摘があります。どこまで、どのように受け入れるかは、見方が分かれるテーマです。
データ確認日:
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外国人労働者数
257万1,037人
2025年10月末時点 (届出の集計)
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在留外国人数
412万5,395人
2025年末現在
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特定技能1号と育成就労の受入れ見込数 (上限)
123万1,900人
2029年3月末まで (2026年1月閣議決定)
原因から影響までの流れ
- 働く世代の減少・人手不足
- 外国人労働者の増加
- 日本語・働く権利・教育・住まいの整備
- 地域でともに暮らす仕組み
矢印は、統計的に証明された因果関係ではなく、主な伝わり方を示しています。
いま何が起きている?
2025年10月末時点で、日本で働く外国人は257万1,037人でした。前の年より26万8,450人 (11.7%) 増えています。外国人を雇っている事業所は37万1,215か所です。これは、事業主に義務づけられた届出を集計した数字です。[1]
国籍別では、ベトナムが60万5,906人 (全体の23.6%) で最も多く、中国が43万1,949人 (16.8%)、フィリピンが26万869人 (10.1%) と続きます。[1]
仕事をしていない家族や留学生なども含めた在留外国人の数は、2025年末現在で412万5,395人でした。前の年の末より35万6,418人 (9.5%) 増え、初めて400万人を超えました。[2]
数字で見る
- 専門的・技術的分野 86.6万人
- 身分に基づく在留資格 64.6万人
- 技能実習 49.9万人
- 資格外活動 (留学生のアルバイトなど) 44.9万人
- 特定活動 11.1万人
日本に滞在する外国人は、活動の内容や身分に応じた在留資格を持っています。最も多い「専門的・技術的分野」は86万5,588人で、前の年より20.4%増えました。永住者や日本人の配偶者などの「身分に基づく在留資格」は64万5,590人、「技能実習」は49万9,394人です。[1]
| 区分 | 賃金 (月額) | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|---|
| 外国人労働者 計 | 25万4,300円 | 32.5歳 | 3.3年 |
| 専門的・技術的分野 (特定技能を除く) | 31万3,200円 | 32.4歳 | 3.2年 |
| 特定技能 | 22万1,400円 | 29.5歳 | 2.4年 |
| 技能実習 | 19万300円 | 26.2歳 | 1.7年 |
同じ調査で、日本全体の賃金は月34万600円 (平均年齢44.4歳、勤続12.7年) でした。外国人労働者は年齢が若く勤続年数も短いため、単純には比べられません。[3]
なぜ起きる?
主な伝わり方は次のとおりです。働く世代が減り、介護、建設、製造、農業、外食など多くの分野で人手が足りなくなっています。その不足を補う形で、外国人の受け入れが広がってきました。
制度も変わりつつあります。これまでの技能実習制度は、技能を伝える国際貢献を目的としていました。これに代わって、人手不足の分野で人材を育て確保することを目的とする育成就労制度がつくられ、2027年4月1日に始まります。3年間働きながら、次の段階の「特定技能1号」の水準まで技能を身につける仕組みです。[5]
育成就労では、本人の希望で勤め先を変えること (転籍) が、一定の条件のもとで認められます。受け入れる人数は、生産性の向上や国内の人材確保を行ってもなお不足する分をもとに分野ごとに決め、これを上限として運用するとされています。[5]
2026年1月の閣議決定では、2029年3月末までの受入れ見込数を、特定技能1号で80万5,700人、育成就労で42万6,200人、合わせて123万1,900人としました。特定技能1号は通算5年までで、家族を連れてくることは基本的にできません。より熟練した「特定技能2号」は在留期間の更新に上限がなく、家族と暮らすこともできます。[4]
受け入れが広がる一方で、暮らしを支える仕組みには課題があります。2025年5月1日時点で、公立学校に通う、日本語の指導が必要な子どもは8万4,759人で、過去最多でした。このうち9,699人 (11.4%) は、学校で日本語の指導を受けていませんでした。[7]
働く場での課題もあります。2025年に、労働基準監督署などが技能実習生のいる1万3,148事業場を調べたところ、9,619事業場 (73.2%) で法令違反が見つかりました。最も多かったのは、機械などの安全基準に関する違反です。違反の疑いがある事業場を選んで調べているため、すべての事業場での割合ではありません。[6]
よくある誤解
どんな選択肢がある?
どれかひとつが正解というわけではありません。それぞれに、期待できることと、負担や副作用があります。
受け入れる人数や分野を広げる
- 期待できること
- 人手が足りない職場や地域の仕事を続けやすくなります。働いて税や保険料を納める人も増えます。
- 負担・副作用
- 日本語教育、住まい、行政の窓口などの負担が地域に生じます。賃金や働く条件の改善が進みにくくなるという懸念もあります。
受け入れを抑え、省力化と国内の人材確保を優先する
- 期待できること
- 機械化や賃上げへの投資が進み、受け入れにともなう地域の負担も抑えられます。
- 負担・副作用
- すぐには人手を補えず、事業やサービスを続けられない職場や地域が出るおそれがあります。
長く働き、家族と暮らせる道を広げる
- 期待できること
- 技能を身につけた人が定着し、職場や地域の担い手になります。本人や家族の生活も安定します。
- 負担・副作用
- 子どもの教育、医療、老後までを含めた長い期間の支えが必要になります。社会のあり方に関わるため、合意づくりに時間がかかります。
日本語教育と生活支援に公的なお金を使う
- 期待できること
- 言葉の壁が下がり、職場の事故や、学校や地域での孤立を減らせます。
- 負担・副作用
- 国や自治体の費用が増え、教える人を確保することも必要です。費用を企業、本人、行政のどこが負担するかで意見が分かれます。
働く条件の監督を強め、勤め先を変えやすくする
- 期待できること
- 法令違反や不当な扱いを減らし、働く人の権利を守りやすくなります。
- 負担・副作用
- 条件のよい都市部に人が移り、地方や中小企業が人を確保しにくくなるおそれがあります。監督する側の体制も必要です。
これから見るべき指標
- 外国人労働者数
- 毎年10月末時点の届出を集計した数字で、翌年1月ごろに公表されます。
- 在留外国人数
- 日本に中長期で住む外国人と特別永住者の数です。6月末と年末の数字が公表されます。
- 特定技能・育成就労の受け入れ数と上限
- 分野ごとの受入れ見込数に対して、実際にどれだけ受け入れているかを見ます。育成就労は2027年4月に始まります。
- 技能実習生などを雇う事業場への監督結果
- 調べた事業場のうち、法令違反が見つかった割合と内容です。1年分がまとめて公表されます。
出典: 厚生労働省「外国人技能実習生又は特定技能外国人を使用する事業場に対して行った令和7年の監督指導、送検等の状況を公表します」
- 日本語の指導が必要な子どもの数
- 公立学校での人数と、指導を受けられているかどうかを示します。調査は1年おきです。
ほかの問題とのつながり
この課題は、次の課題の原因や結果になっています。つながりは「主な伝わり方」であり、統計的に証明された因果関係とは限りません。
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暮らしと経済
労働力不足
記事あり人手が足りない分野ほど外国人の働き手が増えており、受け入れの広げ方が人手不足への対応に関わります。
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人口と家族
生産年齢人口の減少
記事あり国内の働く世代が減り続けることが、外国人の受け入れを広げる背景になっています。
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医療と健康
医療・介護提供体制と人材不足
記事あり介護分野では、2029年3月末までに特定技能1号と育成就労で合わせて16万700人の受け入れが見込まれています。
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食料とエネルギー
農業就業者高齢化・農地維持
記事あり農業分野でも、同じ期間に合わせて9万9,600人の受け入れが見込まれています。
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政治・制度
人権・差別問題
記事あり賃金や労働時間、住まい、相談のしやすさなど、働く人の権利が守られているかが問われます。
出典・更新日
データ確認日:
- [1] 厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」 公表: 2026年1月 / 確認: 2026年10月11日
- [2] 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」 公表: 2026年 / 確認: 2026年10月11日
- [3] 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」 公表: 2026年3月 / 確認: 2026年10月11日
- [4] 出入国在留管理庁「分野別運用方針の主要な記載事項 (令和8年1月23日閣議決定)」 公表: 2026年1月 / 確認: 2026年10月11日
- [5] 出入国在留管理庁「育成就労制度の概要 (令和8年7月改訂)」 公表: 2026年7月 / 確認: 2026年10月11日
- [6] 厚生労働省「外国人技能実習生又は特定技能外国人を使用する事業場に対して行った令和7年の監督指導、送検等の状況を公表します」 公表: 2026年9月 / 確認: 2026年10月11日
- [7] 文部科学省「「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」令和7年度調査結果 (資料1)」 公表: 2026年5月 / 確認: 2026年10月11日
誤りや古い数字を見つけたら、GitHub でこの記事のデータを直して Pull Request を出すか、Issue で教えてください。