気候・自然・災害
気候変動・猛暑とは? 日本の夏はどれくらい暑くなっているのか
日本の気温は長い目で見ると上がり続けていて、記録的に暑い夏が増えています。暑さは熱中症のような健康被害だけでなく、農作物、電気の使い方、屋外での仕事にも影響するため、だれにとっても身近な問題です。
データ確認日:
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日本の年平均気温が100年あたりに上がる割合
+1.44℃
1898〜2025年の観測にもとづく長期変化傾向
出典: 気象庁「日本の年平均気温」
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熱中症で救急搬送された人 (調査開始以降で最多)
100,510人
2025年5〜9月 (確定値)
-
熱中症による死亡数
1,610人
2025年 (人口動態統計・確定数)
原因から影響までの流れ
- 世界の温室効果ガス排出
- 平均気温の上昇
- 猛暑日・熱帯夜の増加
- 健康・農業・電力への影響
矢印は、統計的に証明された因果関係ではなく、主な伝わり方を示しています。
いま何が起きている?
気象庁によると、日本の年平均気温は上がったり下がったりを繰り返しながら、長期的には100年あたり1.44℃の割合で上昇しています。2025年の年平均気温は、基準値 (1991〜2020年の平均) より1.23℃高く、1898年の統計開始以降で3番目に高い値でした。[2]
夏 (6〜8月) だけを見ると、2025年は基準値より2.36℃高く、統計開始以降でもっとも暑い夏でした。2026年の夏は+1.02℃で、5番目の高さです。[1] 2025年8月5日には群馬県伊勢崎市で41.8℃を観測し、国内の観測史上もっとも高い気温となっています。[3]
暑さは人の体に直接影響します。総務省消防庁によると、2025年5〜9月に熱中症で救急搬送された人は100,510人で、調査を始めた2008年以降でもっとも多くなりました。[4]
数字で見る
- 2025年 2.36℃
- 2024年 1.76℃
- 2023年 1.76℃
- 2010年 1.08℃
- 2026年 1.02℃
上位5位のうち4つを、2023年以降の夏が占めています。基準値は1991〜2020年の30年平均です。[1]
| 年 | 死亡数 | うち65歳以上 |
|---|---|---|
| 2021年 | 755人 | 641人 |
| 2022年 | 1,477人 | 1,274人 |
| 2023年 | 1,651人 | 1,375人 |
| 2024年 | 2,160人 | 1,835人 |
| 2025年 | 1,610人 | 1,355人 |
2025年の救急搬送を年齢別に見ると、65歳以上の高齢者が57,433人 (57.1%) でもっとも多くなっています。発生した場所は住居が38,292人 (38.1%) で最多でした。屋外だけでなく、家の中でも多く起きていることがわかります。[4]
なぜ起きる?
気温が上がる大きな背景は、二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中に増え、地球全体が暖まっていることです。日本の気温上昇も、この世界的な流れの中で起きています。[6]
大都市では、ここに「ヒートアイランド現象」が加わります。アスファルトや建物が熱をためこみ、まわりより気温が高くなる現象です。東京などの大都市の平均気温は、全国平均を上回る割合で上がっています。[6]
平均気温が少し上がるだけでも、極端に暑い日は大きく増えます。気温の分布全体が高いほうへずれるためです。日本では1910年以降、真夏日 (最高気温30℃以上) や猛暑日 (同35℃以上) の日数が増えています。[6]
将来については、文部科学省と気象庁が2つの見通しを示しています。21世紀末の日本の年平均気温は、パリ協定の2℃目標が達成された場合で約1.4℃、追加の対策をとらなかった場合で約4.5℃、20世紀末より高くなると予測されています。猛暑日は、それぞれ年間約2.9日、約17.5日増える見込みです。[6]
よくある誤解
よくある誤解
「熱中症は屋外で運動や仕事をしている人がなるものだ」
実際は
2025年5〜9月の救急搬送では、発生場所は住居が38.1%でもっとも多く、搬送された人の57.1%が65歳以上でした。[4]
よくある誤解
「今年の夏が去年より涼しかったから、温暖化は止まった」
実際は
気温は年ごとに上下しながら上がっています。2026年の夏は2025年より低かったものの、統計開始以降で5番目の高さでした。[1]
よくある誤解
「日本だけが排出を減らしても意味がないので、できることはない」
実際は
対策には、排出を減らす「緩和」と、暑さに備える「適応」の2種類があります。エアコンの利用や見守り、暑さ指数 (WBGT) にもとづく熱中症警戒アラートの活用などは、国内で今すぐ進められる適応策です。[7]
どんな選択肢がある?
どれかひとつが正解というわけではありません。それぞれに、期待できることと、負担や副作用があります。
温室効果ガスの排出削減 (緩和) を早める
- 期待できること
- 将来の気温上昇を小さくできます。2℃目標が達成された場合と対策をとらない場合では、21世紀末の気温上昇の予測に約3℃の差があります。
- 負担・副作用
- エネルギーの転換や設備の入れ替えに費用がかかり、電気料金や産業への影響が出る可能性があります。効果が出るまで時間がかかり、世界全体の取り組みにも左右されます。
暑さへの備え (適応) を厚くする
- 期待できること
- 冷房の普及、涼める場所の確保、高齢者の見守りなどで、目の前の健康被害を減らせます。
- 負担・副作用
- 冷房が増えると電力需要が増えます。気温上昇そのものは止まらないので、費用は年々ふくらむ可能性があります。
暑い時間帯の働き方・学び方を変える
- 期待できること
- 屋外作業や部活動の時間をずらすことで、熱中症の危険を下げられます。
- 負担・副作用
- 工期や授業時間、収入に影響します。業種によっては時間をずらしにくい仕事もあります。
農業で高温に強い品種や栽培方法に切り替える
- 期待できること
- 収穫量や品質の低下を抑えられます。
- 負担・副作用
- 品種の開発には年数がかかり、切り替えには農家の費用と手間がかかります。味や産地のブランドが変わることへの抵抗もあります。
これから見るべき指標
- 日本の年平均気温・夏の平均気温
- 気象庁が基準値 (1991〜2020年平均) との差と順位を公表しています。夏の値は8月が終わったあとに更新されます。
- 熱中症による救急搬送人員
- 総務省消防庁が毎年5〜9月を対象に調査しています。2025年分の確定値は同年10月に公表されました。
- 熱中症による死亡数
- 厚生労働省が人口動態統計の確定数から集計し、翌年9月ごろに公表します。
- 猛暑日・熱帯夜の日数
- 「日本の気候変動2025」に、これまでの変化と将来の予測がまとめられています。
ほかの問題とのつながり
この課題は、次の課題の原因や結果になっています。つながりは「主な伝わり方」であり、統計的に証明された因果関係とは限りません。
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気候・自然・災害
豪雨・洪水・土砂災害リスク
記事あり気温が上がると、大気が含むことのできる水蒸気が増えます。大雨が強まる方向に働くと考えられています。
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食料とエネルギー
食料安全保障・低い食料自給率
記事あり高温は作物の収穫量や品質に影響します。国の食料・農業・農村基本計画でも、高温に強い品種の育成が指標に入っています。[8]
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食料とエネルギー
農業就業者高齢化・農地維持
記事あり農作業は屋外での仕事が多く、高齢の農業者ほど暑さの負担が大きくなります。
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食料とエネルギー
電力系統制約・再エネ統合
記事あり暑い日は冷房で電気の使用が増えます。太陽光発電がよく発電する時間帯と夕方以降の需要のずれを、送電網や蓄電池でどう埋めるかが課題です。
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気候・自然・災害
生物多様性・生態系劣化
記事あり気温や海水温が変わると、生きものがすめる場所や季節のリズムが変わり、生態系に影響します。
出典・更新日
データ確認日:
- [1] 気象庁「日本の季節平均気温 (夏)」 公表: 2026年9月 / 確認: 2026年10月11日
- [2] 気象庁「日本の年平均気温」 公表: 2026年 / 確認: 2026年10月11日
- [3] 気象庁「歴代全国ランキング (最高気温の高い方から)」 公表: 2026年 / 確認: 2026年10月11日
- [4] 総務省消防庁「令和7年(5月〜9月)の熱中症による救急搬送状況」 公表: 2025年10月 / 確認: 2026年10月11日
- [5] 厚生労働省「熱中症による死亡数 人口動態統計(確定数)より (平成7年〜令和7年)」 公表: 2026年9月 / 確認: 2026年10月11日
- [6] 文部科学省・気象庁「日本の気候変動2025 (概要版)」 公表: 2025年3月 / 確認: 2026年10月11日
- [7] 環境省「熱中症予防情報サイト 熱中症警戒アラート・熱中症特別警戒アラート」 公表: 2026年 / 確認: 2026年10月11日
- [8] 農林水産省「新たな食料・農業・農村基本計画における主な目標・KPI」 公表: 2025年4月 / 確認: 2026年10月11日
誤りや古い数字を見つけたら、GitHub でこの記事のデータを直して Pull Request を出すか、Issue で教えてください。