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気候・自然・災害

ごみ処理と資源循環とは? 減るごみ、増える処理費

家庭や店から出るごみは年々減っていますが、資源として再び使われる割合は2割ほどで、多くは燃やされています。ごみを集めて処理する仕事は市区町村が担い、その費用は税金などでまかなわれています。人口が減る中で、施設をどう維持し、資源をどう回すかが問われています。

データ確認日:

原因から影響までの流れ

  1. 大量に作り、使い、捨てる暮らし
  2. 焼却と埋め立てが中心の処理
  3. 施設の老朽化と人口減少
  4. 処理費の増加・資源の流出

矢印は、統計的に証明された因果関係ではなく、主な伝わり方を示しています。

いま何が起きている?

家庭や店、事務所などから出るごみを一般廃棄物といい、市区町村が処理に責任を持ちます。2024年度のごみ総排出量は3,811万トンで、前の年度より2.2%減りました。1人が1日に出す量にすると839グラムです。[1]

集めたごみの多くは燃やされています。2024年度に直接焼却された量は2,978万トンで、処理した量全体の80.8%でした。資源として再び使われた量は738万トン、リサイクル率は19.3%です。[2]

燃やした後の灰などを埋める場所を最終処分場といいます。2024年度に埋め立てられた量は306万トンでした。全国の最終処分場があと何年使えるかの目安 (残余年数) は、2024年度末で24.9年です。[1]

工場や建設現場などから出る産業廃棄物は量がずっと多く、2023年度は3億6,725万トンでした。このうち54.7%が再生利用され、埋め立てられたのは875万トン (2.4%) です。[3]

数字で見る

ごみ総排出量の推移 (一般廃棄物、各年度の実績)
  • 2015年度 4,398万トン
  • 2018年度 4,273万トン
  • 2020年度 4,167万トン
  • 2022年度 4,034万トン
  • 2023年度 3,897万トン
  • 2024年度 3,811万トン

出典: 環境省「一般廃棄物処理事業実態調査の結果(令和6年度)について」

ごみの量は2015年度の4,398万トンから減り続けています。一方、リサイクル率は2015年度の20.4%から2024年度の19.3%へと、少しずつ下がっています。[2]

リサイクル率・最終処分量・ごみ処理事業経費 (一般廃棄物、各年度の実績)
年度リサイクル率最終処分量ごみ処理事業経費
2015年度20.4%417万トン1兆9,495億円
2020年度20.0%364万トン2兆1,290億円
2023年度19.5%316万トン2兆2,912億円
2024年度19.3%306万トン2兆4,489億円

出典: 環境省「一般廃棄物処理事業実態調査の結果(令和6年度)について」

ごみは減っているのに、処理にかかるお金は増えています。2024年度のごみ処理事業経費は2兆4,489億円で、前の年度より6.9%増えました。国民1人あたりにすると1万9,700円です。施設の建設や改良にかかる費用が5,561億円と、前の年度より26.3%増えたことが目立ちます。[1][2]

まだ食べられるのに捨てられる食べ物を食品ロスといいます。2024年度は461万トン (推計値) で、家庭から224万トン、事業者から237万トンでした。[4]

なぜ起きる?

主な伝わり方の1つ目は、処理の仕組みです。日本は国土がせまく、埋め立てる場所が限られるため、燃やして量を減らす方法が広く使われてきました。衛生的に早く処理できる一方、燃やしたものは資源として戻りにくくなります。

2つ目は、分けて集める手間と費用です。プラスチックや食べ物の残りなどを種類ごとに分けて集め、再び使える形にするには、人手と設備が必要です。市区町村の規模や財政によって、できることに差が出ます。

3つ目は、施設の更新と人口減少です。ごみ焼却施設は2024年度末で全国に991あり、古くなれば建て替えが必要です。人口が減ると、1人あたりの負担は重くなりやすくなります。自前の最終処分場を持たない市区町村も317 (全体の18.2%) あります。[2]

このほか、製品の作り方や売り方、暮らしの習慣も関係します。どの要因がどれだけ効いているかは、地域や品目によって異なります。

よくある誤解

よくある誤解

「分別して出したごみは、ほとんどがリサイクルされている」

実際は

2024年度の一般廃棄物のリサイクル率は19.3%です。処理された量の80.8%は直接焼却されました。焼却の熱で発電する施設は415 (全体の41.9%) あり、エネルギーとして使う取り組みは進んでいますが、ものとして再び使われる割合は2割ほどです。[1][2]

よくある誤解

「ごみを埋める場所は、もうすぐなくなる」

実際は

全国平均の残余年数は、2015年度末の20.4年から2024年度末の24.9年へと延びています。埋め立てる量が減ったためです。ただし、残っている容量そのものは減り続けており、自前の処分場を持たない市区町村もあります。[2]

よくある誤解

「食品ロスは店や工場の問題で、家庭は関係ない」

実際は

2024年度の食品ロス461万トン (推計値) のうち、家庭から出たものは224万トンで、ほぼ半分を占めます。[4]

どんな選択肢がある?

どれかひとつが正解というわけではありません。それぞれに、期待できることと、負担や副作用があります。

ごみの有料化や分別の細分化を進める

期待できること
出す量に応じて負担する仕組みや細かい分別は、ごみを減らし、資源を回収しやすくする効果が期待できます。
負担・副作用
住民の手間と負担が増えます。収集や選別の費用もかかり、不法投棄が増えないよう見守る必要もあります。

処理施設を広い地域でまとめる

期待できること
複数の市町村で施設を共同で使えば、建て替えや運営の費用を抑えやすくなります。
負担・副作用
ごみを運ぶ距離が長くなります。施設をどこに置くかについて、地域の合意を得ることも簡単ではありません。

作る段階から資源循環を考える

期待できること
長く使える設計や、再び使いやすい素材への切り替えで、ごみになる量そのものを減らせます。2022年4月に施行されたプラスチック資源循環法は、設計から回収までの取り組みを促しています。[5]
負担・副作用
企業には設計の変更や回収の仕組みづくりの費用がかかり、製品の価格に反映されることがあります。

焼却の熱をエネルギーとして使う

期待できること
燃やすときの熱で発電や給湯を行えば、埋め立てる量を減らしながらエネルギーを得られます。
負担・副作用
資源そのものは失われます。燃やす量を前提にした大きな施設をつくると、ごみを減らす取り組みと合わなくなることがあります。

これから見るべき指標

ごみ総排出量・1人1日あたりの排出量
一般廃棄物の量です。環境省が毎年度調べ、2024年度分は2026年3月に公表されました。

出典: 環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和6年度)について」

リサイクル率
集めたごみのうち、資源として再び使われた割合です。同じ調査で公表されます。

出典: 環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和6年度)について」

最終処分場の残余年数・残余容量
埋め立てる場所がどれだけ残っているかを示します。全国平均だけでなく、地域ごとの差も見る必要があります。

出典: 環境省「一般廃棄物処理事業実態調査の結果(令和6年度)について」

ごみ処理事業経費
市区町村などがごみ処理に使った費用です。施設の建て替えが多い年は大きく増えます。

出典: 環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和6年度)について」

食品ロス量
まだ食べられるのに捨てられた食べ物の量の推計値です。2024年度分は2026年6月に公表されました。

出典: 環境省「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和6年度)の公表について」

ほかの問題とのつながり

この課題は、次の課題の原因や結果になっています。つながりは「主な伝わり方」であり、統計的に証明された因果関係とは限りません。

  • 気候・自然・災害

    正しく処理されずに川や海へ流れ出たプラスチックごみは、生き物や生態系に影響を与えるおそれがあります。

  • 気候・自然・災害

    ごみに含まれる化学物質は、焼却や埋め立ての方法によっては水や土に残ることがあり、処理の管理が重要になります。

  • 世界と安全保障

    使い終えた電子機器や電池から金属を取り出して再び使えば、海外からの調達に頼る度合いを下げる助けになります。

出典・更新日

データ確認日:

  1. [1] 環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和6年度)について」 公表: 2026年3月 / 確認: 2026年10月11日
  2. [2] 環境省「一般廃棄物処理事業実態調査の結果(令和6年度)について」 公表: 2026年3月 / 確認: 2026年10月11日
  3. [3] 環境省「産業廃棄物の排出及び処理状況等(令和5年度実績)について」 公表: 2026年3月 / 確認: 2026年10月11日
  4. [4] 環境省「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和6年度)の公表について」 公表: 2026年6月 / 確認: 2026年10月11日
  5. [5] 環境省「プラスチック資源循環法関連」 確認: 2026年10月11日

誤りや古い数字を見つけたら、GitHub でこの記事のデータを直して Pull Request を出すか、Issue で教えてください。