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人口と家族

東京一極集中とは? 若い世代はなぜ東京圏に集まるのか

東京一極集中とは、人や仕事が東京圏 (東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県) に集まり続けることです。2025年も、東京圏に入ってきた人は出ていった人より約12万人多くなりました。進学や就職でどこに住むかという一人ひとりの選択が、地方の働き手や東京圏の住まいの事情につながっています。

データ確認日:

原因から影響までの流れ

  1. 大学・企業の本社が東京圏に多い
  2. 進学・就職期の若者が移る
  3. 東京一極集中
  4. 地方の働き手の減少・東京圏の住まいの負担

矢印は、統計的に証明された因果関係ではなく、主な伝わり方を示しています。

いま何が起きている?

引っ越してきた人が出ていった人より多いことを転入超過といいます。2025年の東京圏は12万3,534人の転入超過でした。前の年より1万2,309人少なくなりましたが、3大都市圏のうち名古屋圏は1万2,695人の転出超過、大阪圏は8,742人の転入超過で、東京圏の多さが目立ちます。[1]

日本人の移動だけで見ると、東京圏は11万2,738人の転入超過で、30年続けて転入超過になりました。[1]

2025年10月1日の国勢調査では、東京圏の人口は3,697万5千人で、全国の30.1%を占めています。2020年からの5年間で人口が増えた都道府県は東京都 (18万9千人増、1.3%増) だけで、ほかの46道府県はすべて減りました。[3]

数字で見る

東京圏の転入超過数の推移 (各年の集計、外国人を含む)
  • 2015年 12.8万人
  • 2019年 14.9万人
  • 2020年 9.9万人
  • 2021年 8.2万人
  • 2022年 10万人
  • 2023年 12.7万人
  • 2024年 13.6万人
  • 2025年 12.4万人

出典: 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果 結果の概要」

転入超過は2019年に14万8,783人まで増えたあと、2021年には8万1,699人まで減りました。その後は再び増え、2024年は13万5,843人、2025年は12万3,534人でした。[2]

年齢で分けると、集まっているのは若い世代です。2025年の東京圏の転入超過 (日本人移動者) は、20〜24歳が8万443人で最も多く、25〜29歳が2万3,546人、15〜19歳が2万1,469人と続きます。反対に、60〜64歳は4,562人、55〜59歳は3,051人の転出超過でした。[2]

3大都市圏の転入超過数 (2025年の集計、外国人を含む。マイナスは転出超過)
都市圏転入者数転出者数転入超過数
東京圏51万5,892人39万2,358人12万3,534人
名古屋圏13万3,292人14万5,987人-1万2,695人
大阪圏22万8,360人21万9,618人8,742人

出典: 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果 結果の概要」

男女別では、2025年の東京圏の転入超過は男性が5万4,670人、女性が6万8,864人で、女性のほうが1万4,194人多くなっています。[2]

なぜ起きる?

主な伝わり方として挙げられるのは、進学と就職です。政府の「地方創生2.0基本構想」(2025年6月閣議決定) は、若い世代が進学や就職をきっかけに東京圏へ移る傾向があるとしています。20〜24歳の転入超過が飛び抜けて多いことは、この見方と合っています。[4][2]

同じ基本構想は、男性に比べ、一度東京圏に移った女性は地方に戻らない傾向があるとも指摘しています。また、2014年から続けてきた地方創生の取り組みについて、東京圏への一極集中の流れを変えるまでには至らなかったと振り返っています。[4]

人や企業が集まると、仕事や学校の選択肢が増え、それがさらに人を呼びます。集まることには効率のよさという利点があり、同時に、住まいの費用や混雑、災害のときに被害が集中するおそれといった負担もあります。どちらを重く見るかで、評価は分かれます。

よくある誤解

よくある誤解

「東京圏にはあらゆる世代が集まっている」

実際は

集まっているのは主に若い世代です。2025年の東京圏 (日本人移動者) は、20〜24歳が8万443人の転入超過だった一方で、60〜64歳は4,562人、55〜59歳は3,051人の転出超過でした。[2]

よくある誤解

「コロナ禍をきっかけに、一極集中は終わった」

実際は

東京圏の転入超過は2021年に8万1,699人まで減りましたが、2024年には13万5,843人まで戻りました。2025年は12万3,534人で、前の年より減ったものの、2021年よりは多い水準です。[2]

よくある誤解

「東京は出生率が低いので、一極集中が少子化のいちばんの原因だ」

実際は

2025年の合計特殊出生率 (概数) は、東京都が0.96で全国で最も低く、最も高い沖縄県は1.52でした。ただし、この率は未婚の人も含む女性全体をもとに計算するため、進学や就職で若い人が多く移ってくる地域では低く出やすい面があります。一極集中が全国の出生数をどれだけ押し下げているかは、見方が分かれています。[5]

どんな選択肢がある?

どれかひとつが正解というわけではありません。それぞれに、期待できることと、負担や副作用があります。

地方に学ぶ場・働く場を増やす

期待できること
地元に残る、または戻るという選択がしやすくなります。政府は、東京圏から地方への若者の流れを倍増させることを10年後に目指す姿として掲げています。[4]
負担・副作用
企業や大学がどこに立地するかは、政策だけでは動かしにくい面があります。効果が出るまでに時間と費用がかかり、過去10年の取り組みでは流れは変わりませんでした。

企業の本社機能や国の機関を地方に移す・テレワークを広げる

期待できること
東京圏に住まなくても同じ仕事を続けられるようになり、住む場所の選択肢が広がります。
負担・副作用
対面でのやりとりや取引先との近さを重視する仕事には向かない場合があります。移転には費用がかかり、働く人や家族の生活にも影響します。

集中を前提に、東京圏の住まいや子育ての環境を整える

期待できること
すでに東京圏に住んでいる多くの人の暮らしの負担を、直接軽くすることができます。
負担・副作用
暮らしやすくなることで、さらに人が集まる可能性があります。地方の人口減少への対策にはなりません。

地方の中心となる都市に機能を集める

期待できること
東京圏まで行かなくても、進学先や就職先を地域の中で見つけやすくなります。
負担・副作用
その都市のまわりの市町村から人が移り、地域の中で新たな偏りが生まれることがあります。

これから見るべき指標

東京圏の転入超過数
住民票の移動をもとにした統計です。1年分の結果は翌年の初めに公表され、2025年分は2026年2月3日に公表されました。

出典: 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果 結果の要約」

年齢別・男女別の転入超過数
どの世代が動いているかが分かります。進学・就職期にあたる15〜29歳の動きが手がかりになります。

出典: 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果 結果の概要」

全国の人口に占める東京圏の割合
5年ごとの国勢調査で確かめられます。2025年10月1日時点は30.1%でした。

出典: 総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」

都道府県別の合計特殊出生率
人口動態統計で毎年公表されます。2025年の都道府県別の確定数は2026年11月に公表される予定です。

出典: 厚生労働省「令和7年(2025)人口動態統計(確定数)の概況 統計表」

ほかの問題とのつながり

この課題は、次の課題の原因や結果になっています。つながりは「主な伝わり方」であり、統計的に証明された因果関係とは限りません。

  • 人口と家族

    若い世代が出ていった地域では、働き手や子どもが減り、店や学校、交通を保ちにくくなります。

  • 地域とインフラ

    人が集まる地域では住宅の需要が高まり、住まいの費用が上がりやすくなります。

  • 人口と家族

    少子化

    記事あり

    東京都は合計特殊出生率が全国で最も低く、若い世代の集中が出生数にどう影響するかが議論されています。

  • 暮らしと経済

    地方に希望する仕事が少ないことが、若い世代が東京圏で働くことを選ぶ理由のひとつとされています。

出典・更新日

データ確認日:

  1. [1] 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果 結果の要約」 公表: 2026年2月 / 確認: 2026年10月11日
  2. [2] 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果 結果の概要」 公表: 2026年2月 / 確認: 2026年10月11日
  3. [3] 総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」 公表: 2026年9月 / 確認: 2026年10月11日
  4. [4] 内閣官房「地方創生2.0基本構想 (令和7年6月13日閣議決定)」 公表: 2025年6月 / 確認: 2026年10月11日
  5. [5] 厚生労働省「令和7年(2025)人口動態統計月報年計(概数)の概況 結果の概要」 公表: 2026年 / 確認: 2026年10月11日
  6. [6] 厚生労働省「令和7年(2025)人口動態統計(確定数)の概況 統計表」 公表: 2026年9月 / 確認: 2026年10月11日

誤りや古い数字を見つけたら、GitHub でこの記事のデータを直して Pull Request を出すか、Issue で教えてください。