人口と家族
地方の過疎化とは? 人が減る地域で何が起きているのか
過疎化とは、人口が大きく減り、暮らしを支える店や学校、交通などを保ちにくくなることです。2020年からの5年間で、全国の市町村の9割で人口が減りました。いま住んでいる町やふるさとのサービスを、これからどう続けていくかに関わる問題です。
データ確認日:
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人口が減った市町村の割合
91.2%
2020年→2025年 (国勢調査)
-
法律上の過疎地域がある市町村
885市町村
2022年4月1日時点
-
2050年の人口が2020年の半分未満になる市区町村
19.7%
2023年公表の推計
原因から影響までの流れ
- 若い世代の流出
- 生まれる子どもの減少と高齢化
- 地方の過疎化
- 店・学校・交通・医療の縮小
矢印は、統計的に証明された因果関係ではなく、主な伝わり方を示しています。
いま何が起きている?
2025年10月1日の国勢調査によると、2020年からの5年間で人口が減った市町村は1,568あり、全国1,719市町村の91.2%にあたります (東京都の特別区部は1つの市として数えています)。人口が増えたのは151市町村 (8.8%) でした。[1]
都道府県別では、東京都を除く46道府県で人口が減りました。減った割合が大きいのは秋田県 (8.1%減)、青森県 (8.0%減)、岩手県 (7.1%減) です。[1]
小さな自治体も増えています。人口5千人未満の町村は、2020年の290から2025年には319になりました。[1]
数字で見る
| 5年間の増減 | 市町村数 | 割合 |
|---|---|---|
| 増加 | 151 | 8.8% |
| 0〜2.5%未満の減少 | 232 | 13.5% |
| 2.5〜5%未満の減少 | 256 | 14.9% |
| 5〜10%未満の減少 | 592 | 34.4% |
| 10〜20%未満の減少 | 483 | 28.1% |
| 20%以上の減少 | 5 | 0.3% |
5年間で人口が10%以上減った市町村は、全体の28.4%を占めます。[1]
- 秋田県 40%
- 高知県 36.9%
- 青森県 36.3%
- 全国 29.4%
- 東京都 22.8%
高齢化も地方で先に進んでいます。市町村別では、群馬県南牧村の68.9%が最も高くなっています。[1]
国立社会保障・人口問題研究所の推計 (2023年公表) では、2050年の人口が2020年より3割以上減る県が、秋田県など11県あります。市区町村では、人口が半分未満になるところが341 (19.7%)、3〜5割減るところが705 (40.8%) と見込まれています。[2]
なぜ起きる?
主な伝わり方は、次のような循環だと考えられています。まず、進学や就職の時期に若い世代が都市へ移ります。2025年に東京圏へ移った人と出た人の差 (日本人移動者) は、20〜24歳だけで8万443人の転入超過でした。[5]
若い世代が減ると、その地域で生まれる子どもが減り、高齢の人の割合が高くなります。亡くなる人が生まれる人を上回る状態が続き、人口の減り方が速まります。
もうひとつは費用の問題です。道路や水道、学校、病院、バスなどは、利用する人が減っても、維持する費用がそのまま減るわけではありません。1人あたりの負担が重くなり、店の閉店や路線の廃止が進むと、暮らしにくさからさらに人が出ていくことがあります。
国は、人口の減り方と自治体の財政力をもとに「過疎地域」を決め、法律で支援しています。いまの法律 (過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法) は2021年4月1日に施行され、2031年3月31日までの期限つきです。[3]
よくある誤解
よくある誤解
「過疎は、山あいの小さな村だけの話だ」
実際は
法律上の過疎地域がある市町村は885あり (2022年4月1日時点)、全国の市町村のおよそ半分にあたります。また、2020年からの5年間で人口の減った数が大きかったのは、北九州市 (3万5,437人減)、静岡市、京都市などの大きな市でした。[3][1]
よくある誤解
「地方では、お年寄りがこれからも増え続ける」
実際は
推計では、65歳以上の人口が最も多くなる時期が2025年以前である市区町村が1,071 (62.0%) あります。2050年の65歳以上人口が2020年より少なくなる市区町村は1,182 (68.4%) です。高齢の人の数も減り始め、全体の人口はそれより速く減るため、割合だけが上がっていきます。[2]
よくある誤解
「移住してくる人を増やせば解決する」
実際は
日本全体の人口が5年間で317万4千人減っているため、移住者を呼びこむ取り組みは、自治体どうしで限られた人を取り合う形になりやすい面があります。2020年からの5年間に人口が増えた市町村は151にとどまりました。[1]
どんな選択肢がある?
どれかひとつが正解というわけではありません。それぞれに、期待できることと、負担や副作用があります。
移住する人や、地域に関わる人を増やす
- 期待できること
- 働き手や地域の活動の担い手が増えます。住んでいなくても通ったり手伝ったりする人が増えれば、行事や産業を続けやすくなります。
- 負担・副作用
- 全国で人口が減るなか、すべての地域が人を増やすことはできません。受け入れのための住まいや仕事の用意に費用がかかります。
住む場所やサービスを地域の中心に集める
- 期待できること
- 店や病院、役場などを近くにまとめることで、少ない人口でもサービスを保ちやすくなり、インフラの維持費を抑えられます。
- 負担・副作用
- 中心から離れた集落に住む人には、引っ越しや移動の負担が生じます。住み慣れた土地を離れることへの抵抗もあります。
まわりの自治体との連携やデジタル技術でサービスを保つ
- 期待できること
- 複数の自治体で施設や専門の職員を共有したり、オンライン診療や配送などを使ったりすることで、住む場所を変えずにサービスを受けられます。
- 負担・副作用
- 通信環境の整備や機器の操作の支援が必要です。対面でしか行えないサービスは残ります。
いまの集落での暮らしを支え続ける
- 期待できること
- 住み慣れた場所で暮らし続けたいという希望にこたえられます。農地や森林の手入れが続き、国土の管理にもつながります。
- 負担・副作用
- 住む人が少なくなるほど1人あたりの費用が大きくなり、その費用は国全体の税金などで支えることになります。
これから見るべき指標
- 市町村別の人口と増減率
- 5年ごとの国勢調査で分かります。2025年調査の人口等基本集計は2026年9月29日に公表されました。
- 過疎地域の市町村数
- 国勢調査の結果に応じて見直されます。2025年の国勢調査の結果に応じた追加の公示が行われることになっています。
- 地域別の将来推計人口
- 都道府県・市区町村ごとの将来の人口の見通しです。いまの推計は2020年の国勢調査をもとに2023年12月に公表されました。
- 都道府県をまたぐ人の移動
- 住民票の移動をもとに、どの地域から人が出て、どの地域に入っているかが毎年公表されます。
ほかの問題とのつながり
この課題は、次の課題の原因や結果になっています。つながりは「主な伝わり方」であり、統計的に証明された因果関係とは限りません。
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人口と家族
東京一極集中
記事あり進学や就職の時期に若い世代が東京圏へ移ることが、地方の人口減少を速める一因になっています。
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地域とインフラ
空き家・老朽住宅問題
記事あり住む人がいなくなった家が空き家として残り、管理する人も減っていきます。
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地域とインフラ
地域公共交通の維持
記事あり利用する人が減ると、バスや鉄道の路線を保つことが難しくなります。
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医療と健康
地方の医療不足・医師偏在
記事あり患者も働き手も減る地域では、病院や診療所を続けることが難しくなります。
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地域とインフラ
文化財・地域文化の担い手不足
記事あり祭りや伝統行事、文化財を受け継ぐ人が少なくなります。
出典・更新日
データ確認日:
- [1] 総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」 公表: 2026年9月 / 確認: 2026年10月11日
- [2] 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口 (令和5年推計) プレスリリース」 公表: 2023年12月 / 確認: 2026年10月11日
- [3] 総務省「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法 概要」 確認: 2026年10月11日
- [4] 総務省「過疎対策」 確認: 2026年10月11日
- [5] 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果 結果の概要」 公表: 2026年2月 / 確認: 2026年10月11日
誤りや古い数字を見つけたら、GitHub でこの記事のデータを直して Pull Request を出すか、Issue で教えてください。