人口と家族
一人暮らしの高齢者が増えている。何が変わるのか
65歳以上で一人暮らしをしている人は、2025年に815万人を超えました。65歳以上のおよそ5人に1人にあたります。見守りや住まい、介護、亡くなったあとの手続きなど、これまで家族が担うことの多かった役割を誰が支えるのかが問われています。
データ確認日:
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65歳以上の一人暮らしの人
815万3千人
2025年10月1日 (国勢調査、不詳補完値)
-
65歳以上の人口に占める一人暮らしの割合
22.6%
2025年10月1日 (国勢調査、不詳補完値)
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65歳以上の人がいる世帯のうち一人暮らしの世帯
34.7%
2025年10月1日 (国勢調査、不詳補完値)
原因から影響までの流れ
- 長寿化・配偶者との死別
- 子どもと同居しない暮らし・未婚の人の増加
- 高齢の一人暮らしの増加
- 見守り・住まい・介護・死後の手続きの支え手不足
矢印は、統計的に証明された因果関係ではなく、主な伝わり方を示しています。
いま何が起きている?
2025年10月1日の国勢調査によると、65歳以上で一人暮らしをしている人は815万3千人でした。65歳以上の人口の22.6%にあたります。2020年の720万5千人から、5年間でおよそ95万人増えました。[1]
男女別では、男性が298万1千人、女性が517万1千人です。65歳以上の男性の19.0%、女性の25.3%が一人暮らしで、男性はおよそ5人に1人、女性はおよそ4人に1人にあたります。[1]
世帯の数で見ると、65歳以上の人がいる世帯は2,351万8千世帯あり、そのうち34.7%が一人暮らしの世帯です。夫婦だけの世帯 (29.7%) を上回り、最も多い形になっています。[1]
数字で見る
- 2010年 479.1万人
- 2015年 592.8万人
- 2020年 720.5万人
- 2025年 815.3万人
15年間で、一人暮らしの高齢者は約1.7倍になりました。同じ期間に、65歳以上の人がいる世帯のうち、祖父母・親・子がともに暮らす3世代世帯の割合は、16.4%から6.5%に下がっています。[1]
| 年 | 総数 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 2010年 | 16.4% | 11.1% | 20.3% |
| 2015年 | 17.7% | 13.3% | 21.1% |
| 2020年 | 20.0% | 16.3% | 22.9% |
| 2025年 | 22.6% | 19.0% | 25.3% |
この先も増える見通しです。国立社会保障・人口問題研究所の推計 (2020年の国勢調査をもとに2024年に公表) では、65歳以上の一人暮らしの割合は、2050年に男性26.1%、女性29.3%になると見込まれています。[2]
なぜ起きる?
主な伝わり方は3つあると考えられています。1つ目は、長生きする人が増え、夫や妻に先立たれたあと一人で暮らす期間が長くなったことです。推計のもとになった2020年の数字では、一人暮らしの65歳以上の女性のうち69.2%が、配偶者と死別した人でした。[3]
2つ目は、子どもと同居しない暮らしが広がったことです。65歳以上の人がいる世帯に占める3世代世帯の割合は、2010年の16.4%から2025年には6.5%に下がりました。[1]
3つ目は、結婚しない人が増えたことです。推計では、一人暮らしの65歳以上のうち未婚の人の割合は、2020年の男性33.7%、女性11.9%から、2050年には男性59.7%、女性30.2%に上がると見込まれています。[2]
一人で暮らすこと自体は、本人が選んだ暮らし方でもあります。課題になるのは、病気や介護が必要になったとき、家を借りるとき、亡くなったあとの手続きなど、家族がいることを前提にしてきた場面で、頼れる人がいない場合です。
よくある誤解
よくある誤解
「一人暮らしの高齢者は、ほとんどが女性だ」
実際は
人数は女性のほうが多いものの、伸びが大きいのは男性です。65歳以上の男性のうち一人暮らしの人の割合は、2010年の11.1%から2025年には19.0%に上がりました。推計では2050年に26.1%になり、女性の29.3%に近づくと見込まれています。[1][2]
よくある誤解
「一人暮らしの高齢者は、みんな孤立している」
実際は
統計が数えているのは、同じ家に住む人がいないという世帯の形です。近くに家族や友人がいる人も含まれます。警察庁によると、2025年に自宅で亡くなった一人暮らしの人として警察が取り扱ったのは7万6,941体で、このうち2万8,398体は亡くなってから0〜1日で見つかっています。[4][5]
よくある誤解
「一人暮らしでも、いざというときは子どもや親族が支える」
実際は
推計をまとめた研究所は、いまの一人暮らしの高齢者には別居の子どもやきょうだいがいる人が多い一方、30年後は子どものいない人やきょうだいの少ない人が増え、近い親族がまったくいない人が急増すると想定しています。[3]
どんな選択肢がある?
どれかひとつが正解というわけではありません。それぞれに、期待できることと、負担や副作用があります。
地域で見守るしくみを広げる
- 期待できること
- 近所の人、配達や検針の事業者、自治体の窓口などが変化に気づけば、病気や困りごとに早く対応できます。国は2023年に孤独・孤立対策推進法を定め、国と自治体の体制を整えています。[6]
- 負担・副作用
- 見守る側の担い手も高齢化し、人手が足りなくなっています。見守られることを負担に感じる人もおり、本人の意思との両立が必要です。
一人暮らしの高齢者が家を借りやすくする
- 期待できること
- 2025年10月1日に施行された改正住宅セーフティネット法では、安否確認や見守り、福祉サービスへのつなぎを行う「居住サポート住宅」の制度が設けられました。貸す側の不安を減らし、住まいを確保しやすくするねらいです。[7]
- 負担・副作用
- 見守りなどのサポートには人手と費用がかかります。貸す側の協力がどこまで広がるかは、これから確かめる必要があります。
家族の代わりを担うサービスを整える
- 期待できること
- 入院や入居のときの保証、お金の管理、亡くなったあとの手続きなどを、民間の事業者や自治体、社会福祉の団体が引き受ければ、頼れる親族がいなくても備えられます。
- 負担・副作用
- 利用には費用がかかり、払えない人をどう支えるかが課題です。長い期間にわたる契約のため、事業者の質や契約の中身を誰がどう確かめるかも問われます。
共同の住まいや施設など、住み方の選択肢を増やす
- 期待できること
- 複数の人で暮らす住まいや、サービスのついた住宅があれば、一人で抱える不安を減らせます。
- 負担・副作用
- 住み慣れた家を離れることになります。建物や働き手の確保に費用がかかり、入居できる人が限られることもあります。
これから見るべき指標
- 65歳以上の一人暮らしの人の数と割合
- 5年ごとの国勢調査で分かります。2025年調査の人口等基本集計は2026年9月29日に公表されました。
- 世帯数の将来推計
- 国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに行っています。いまの推計は2024年4月に公表され、2050年までを見通しています。
- 一人暮らしの高齢者に占める未婚の人の割合
- 頼れる親族がいない人がどれだけ増えるかを考える手がかりになります。
- 自宅で亡くなった一人暮らしの人の数
- 警察が取り扱った数を警察庁が公表しています。亡くなってから見つかるまでの日数も分かります。
ほかの問題とのつながり
この課題は、次の課題の原因や結果になっています。つながりは「主な伝わり方」であり、統計的に証明された因果関係とは限りません。
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人口と家族
高齢化
記事あり65歳以上の人、とくに75歳以上の人が増えることが、一人暮らしの高齢者が増える土台になっています。
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暮らしと経済
高齢者の孤立・孤独
記事あり一人暮らしがそのまま孤立を意味するわけではありませんが、人とのつながりが少ないと、困りごとに周りが気づきにくくなります。
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医療と健康
認知症の増加
記事あり認知症になると、お金の管理や通院、契約などを一人で続けることが難しくなります。
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地域とインフラ
空き家・老朽住宅問題
記事あり一人暮らしの人が亡くなったり施設に移ったりしたあと、家を引き継ぐ人がいないと空き家になりやすくなります。
出典・更新日
データ確認日:
- [1] 総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」 公表: 2026年9月 / 確認: 2026年10月11日
- [2] 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計) 令和6(2024)年推計 プレスリリース」 公表: 2024年4月 / 確認: 2026年10月11日
- [3] 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計) 令和6(2024)年推計 概要」 公表: 2024年4月 / 確認: 2026年10月11日
- [4] 警察庁「令和7年中における死体取扱状況(警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者)について」 公表: 2026年4月 / 確認: 2026年10月11日
- [5] 警察庁「警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者(令和7年) 年齢階層別・経過日数別」 公表: 2026年4月 / 確認: 2026年10月11日
- [6] 内閣府「孤独・孤立対策推進法」 確認: 2026年10月11日
- [7] 国土交通省「住宅セーフティネット制度」 確認: 2026年10月11日
誤りや古い数字を見つけたら、GitHub でこの記事のデータを直して Pull Request を出すか、Issue で教えてください。