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教育と子ども

不登校とは? 子どもの心にいま何が起きているのか

不登校とは、病気や経済的な理由以外で、年間30日以上学校を休むことです。2024年度に不登校だった小・中学生は約35万人で、過去最多でした。学校だけでは支えきれず、福祉や医療とどうつなぐかが、どの地域でも課題になっています。

データ確認日:

原因から影響までの流れ

  1. 不安・生活リズムの乱れ・学校での困りごと
  2. 登校についての考え方の変化
  3. 不登校・子どもの心の不調
  4. 学びの遅れ・孤立・保護者の負担

矢印は、統計的に証明された因果関係ではなく、主な伝わり方を示しています。

いま何が起きている?

2024年度に不登校だった小・中学生は35万3,970人でした。前の年度より7,488人多く、12年続けて増えて過去最多です。内訳は小学生が13万7,704人、中学生が21万6,266人です。[1]

児童生徒1,000人あたりでは38.6人です。中学校だけで見ると1,000人あたり67.9人で、およそ15人に1人にあたります。高校の不登校は6万7,782人で、前の年度より988人減りました。[1]

一方で、増え方はゆるやかになりました。小・中学校の増加率は、前の年度の15.9%から2.2%に下がっています。新しく不登校になった子どもは15万3,828人で、9年ぶりに減りました。[1]

子どもの命に関わる数字も重い状況です。2025年に自殺した小中高生は538人で、前の年より9人多く、統計のある1980年以降で最も多くなりました。[2]

数字で見る

小・中学校の不登校児童生徒数 (各年度)
  • 2014年度 12.3万人
  • 2017年度 14.4万人
  • 2020年度 19.6万人
  • 2022年度 29.9万人
  • 2023年度 34.6万人
  • 2024年度 35.4万人

出典: 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 (令和8年1月16日一部修正)」

不登校の小・中学生は、2014年度の12万2,897人から10年間で3倍近くになりました。とくに2020年度の19万6,127人から2023年度の34万6,482人まで、3年間で大きく増えています。[1]

休む日数が長い子どもも多くいます。2024年度に90日以上欠席した小・中学生は19万1,958人で、不登校の子ども全体の54.2%でした。[1]

不登校の児童生徒数と1,000人あたりの人数 (2024年度)
学校不登校の人数1,000人あたり
小学校13万7,704人23.0人
中学校21万6,266人67.9人
小・中学校の合計35万3,970人38.6人

出典: 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 (令和8年1月16日一部修正)」

支援につながっているかどうかも調べられています。2024年度は、不登校の小・中学生の61.7% (21万8,246人) が、学校の内外で専門的な相談や指導を受けていました。受けていなかった子どもは13万5,724人です。[1]

なぜ起きる?

理由は1つではありません。学校が把握した事実として多かったのは、「学校生活に対してやる気が出ないなどの相談があった」(30.1%)、「生活リズムの不調に関する相談があった」(25.0%)、「不安・抑うつの相談があった」(24.3%) でした。これは学校側から見た記録で、子ども本人の受け止めとは違うことがあります。[1]

増えた背景として、文部科学省は3つを挙げています。休養の必要性を示した法律 (教育機会確保法) の考え方が広まったこと、コロナ禍のあとに登校についての保護者や子どもの意識が変わったこと、配慮が必要な子どもへの早めの支援に課題があったことです。[1]

つまり、困っている子どもが増えた面と、無理に登校させない考え方が広がって数字に表れやすくなった面の両方がありえます。どちらがどれだけ効いているかは、この調査だけでは分かりません。

子どもの心の不調は、学校の中だけで起きるものでもありません。家庭の状況、友人関係、体調、インターネット上のやりとりなどが重なることがあり、学校・福祉・医療が別々に動くと支えが届きにくくなります。

よくある誤解

よくある誤解

「不登校は本人の怠けや甘えが原因だ」

実際は

学校が把握した事実では、生活リズムの不調 (25.0%) や不安・抑うつ (24.3%) の相談が上位に入っています。文部科学省も、休養の必要性を示した法律の考え方が広まったことを背景に挙げており、本人の気持ちだけの問題とは見ていません。[1]

よくある誤解

「不登校の子どもは、誰にも相談できていない」

実際は

2024年度は、不登校の小・中学生の61.7%が学校の内外で専門的な相談や指導を受けていました。担任などから週1回程度以上の相談・指導を受けていた子どもを合わせると95.8%です。ただし、専門的な相談や指導を受けていない子どもも13万5,724人います。[1]

よくある誤解

「不登校は増える一方で、歯止めがかかっていない」

実際は

人数は過去最多ですが、小・中学校の増加率は15.9%から2.2%に下がり、新しく不登校になった子どもは9年ぶりに減りました。高校では不登校の生徒数が前の年度より減っています。この傾向が続くかどうかは、次の調査を見る必要があります。[1]

どんな選択肢がある?

どれかひとつが正解というわけではありません。それぞれに、期待できることと、負担や副作用があります。

学校の外や校内に、教室以外の学びの場を増やす

期待できること
教室に入れない子どもが学びを続けやすくなります。文部科学省は2023年3月に「COCOLOプラン」をまとめ、学びの多様化学校や校内の支援の場を広げる方針を示しました。[3]
負担・副作用
場所と教職員、予算が必要です。人口の少ない地域では通える範囲に作りにくく、地域による差が出やすくなります。

スクールカウンセラーなど専門職を増やし、早く気づく

期待できること
不安や体調の変化に早く気づき、福祉や医療につなぎやすくなります。1人1台の端末を使った心の健康観察も進められています。[1]
負担・副作用
専門職の確保と費用が課題です。気づいたあとに受け止める相談先や医療機関が足りないと、つなぐ先がなくなります。

自宅や学校外での学習を、出席や成績として認める

期待できること
学校に行けない期間も学びが記録に残り、進学のときの不利を減らせます。2024年度に自宅でのICT学習を出席扱いとされた小・中学生は1万3,261人でした。[1]
負担・副作用
家庭の通信環境や、保護者が見守れるかどうかで差が出ます。人と関わる機会をどう確保するかも課題です。

学校そのものを通いやすい場所に変える

期待できること
授業の進め方や校則、人間関係のしんどさが減れば、不登校になる前の段階で防げる可能性があります。
負担・副作用
効果が出るまで時間がかかり、数字で確かめにくい取り組みです。教職員の負担が増えるおそれもあります。

これから見るべき指標

不登校児童生徒数
文部科学省が年度ごとに調べています。2024年度分は2025年10月に公表されました。2025年度分はまだ公表されていません (2026年10月11日時点)。

出典: 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 (令和8年1月16日一部修正)」

新規不登校児童生徒数
前の年度は不登校ではなかった子どもの数です。対策が効いているかを見る手がかりになります。

出典: 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 (令和8年1月16日一部修正)」

専門的な相談・指導を受けた割合
不登校の子どものうち、学校内外の機関などにつながっている割合です。

出典: 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 (令和8年1月16日一部修正)」

小中高生の自殺者数
厚生労働省と警察庁が、年間の集計を翌年3月ごろに公表しています。

出典: 厚生労働省・警察庁「令和7年中における自殺の状況」

ほかの問題とのつながり

この課題は、次の課題の原因や結果になっています。つながりは「主な伝わり方」であり、統計的に証明された因果関係とは限りません。

  • 教育と子ども

    教育格差

    記事あり

    学校を長く休むと授業を受ける機会が減ります。学校の外で学ぶ場を使えるかどうかは、家庭の費用や住んでいる地域に左右されます。

  • 暮らしと経済

    家計が苦しい家庭では、フリースクールや通院などの費用、保護者が付き添うための時間を用意しにくくなります。

  • 暮らしと経済

    人とのつながりが細くなる問題は、高齢者だけでなく子どもや若い世代にも起こります。

出典・更新日

データ確認日:

  1. [1] 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 (令和8年1月16日一部修正)」 公表: 2025年10月 / 確認: 2026年10月11日
  2. [2] 厚生労働省・警察庁「令和7年中における自殺の状況」 公表: 2026年3月 / 確認: 2026年10月11日
  3. [3] 文部科学省「不登校対策 (COCOLOプラン等) について」 公表: 2023年3月 / 確認: 2026年10月11日

誤りや古い数字を見つけたら、GitHub でこの記事のデータを直して Pull Request を出すか、Issue で教えてください。